あなたの会社の体質はコンプライアンス違反に対して盤石でしょうか。企業の体質によってはコンプライアンス違反に繋がりやすい体質というものがあり、今後のコンプライアンスに大きな影響を及ぼします。
企業の体質とコンプライアンス違反は密接な関係にある
自社の社員に対して、コンプライアンスの意味を理解するようにどれだけ力強く教育しても、企業自体の体質が適正でない場合には、違反は起こりえると言われています。
一体どのような企業の体質が、コンプライアンス違反を引き起こすのでしょうか。
典型例は、「殿様商売」と呼ばれる体質です。
殿様商売は、何らかの理由によって競争業者が存在しない会社に多く見られます。競合他社が存在しなければ、ある意味で独占的な状況にありますので、お客様の声を聞く必要性に乏しく、「売ってやっている」という感覚になりがちです。
このような場合には、自社と自社が扱う商品・サービスの持つ信頼性(ブランド力)を、客観的に知る事ができません。
どのような事をしてもお客様が離れることなどないと考えていると、裸の王様的な対応や立ち位置になってしまうことから、コンプライアンス違反が起こる可能性があります。
他にも、金儲け主義も危険です。
顧客視点や安全性を無視した金儲け主義は、そもそもコンプライアンスの意味を理解していない経営スタイルとも言えるでしょう。
そのため、違反が起こりやすい状態であるのは当然のことです。
殿様商売、金儲け主義、そして「秘密主義」
また、秘密主義もコンプライアンス違反に繋がりやすいといわれています。
部外者が内部を知る事ができないといった環境下では、人間の悪い心が機能しやすくなります。
例えば、お菓子が当たるくじ引きを販売するとします。特賞がゲーム機、1等が1000円分のお菓子、2等が・・・・というように、景品を事前に定めたとします。ハズレくじと当たりくじが混ざった状態でお客様はくじ引きをしていくわけですが、どの程度当たりが含まれているのか、正確なところはブラックボックスです。
言い換えれば、宝くじは買うまでは秘密主義が貫かれますので、特賞が含まれていなくてもお客様には判断のしようがありません。このような状況下では、悪意を持った商売に繋がる可能性もあり、明確なコンプライアンス違反を指摘できます。
他にも、秘密主義は不祥事が起こった際に隠蔽工作を行いがちになります。
くじ引きのケースであれば、「特賞の当選クジは風で飛んでどこかに行ってしまったのだろう」などと、もともと特賞のクジ自体を含ませていないのにも掛からず、なんとでも言えてしまうということです。
このような環境下では、不透明性があるが故にビジネスそのものが成り立つという側面がありますので、組織内がしっかりしていないと怪しい方向へと流れやすくなってしまうことに注意が必要です。
会社の体質というのは、経営者の影響を強く受ける場合もありますし、社員のパワーによることや、事業内容によっても体質が大きく変わるということがありますので、非常にコントロールの難しいことでもありますから、適正な方向に導くような工夫が求められます。