日本では、諸外国と比べてみると、求められているコンプライアンスは概念的に広いものとなっています

コンプライアンスの日本での解釈

日本の企業・団体・組織に求められているコンプライアンスとは、具体的にどのような事でしょうか。

日本で求められているコンプライアンスの画像日本に限ったことではありませんが、日本の場合には特に、「スピード変化」と「お客様の要求水準」がポイントになると考えられます。

コンプライアンスというのは、単に法令を守っていればよいということではなく、社会システムそのものに会社や社員の考え方・行動を適合させていく、広範な取り組みのことです。

日本の場合、社会システムの変化スピードは比較的早いことが指摘できます。インターネットは10年足らずで全国的に普及し、社会での情報に対する概念が一変しました。同様に、携帯電話の端末は数年でスマートフォンに置き換わっています。

日本のお客様は世界一要求水準が高いと言われています。企業は顧客満足度向上を掲げ、さまざまなことに対して意欲的に改善を行い、お客様満足を高める取り組みを行っているものの、対象となるお客様自体の価値観がどんどん多様化しているため、お客様が満足する水準にはまだまだ行きついていないようです。

さらに、日本は法律の改正には時間が掛かり、実質的に裁判の結果である「判例」が法律としての役割を果たしている部分もあります。

これらから、日本では法令に従うだけでは社会システムに全然適応していけないのは当然で、企業にとっては社会の動きや顧客の価値観を俊敏にキャッチし、それに対応していくことがコンプライアンスとしての取り組みであるということがいえるのです。

対して、アメリカの場合には日本以上に法律の改正が柔軟に行われ、しかも細かな規定も多いわけです。ですから、法令に遵守するだけでも社会的要請に日本よりは応えやすいといえるでしょう。

法律を超えるような高度な水準での企業理念や倫理

日本においては、法律を超えるような高度な水準での企業理念・厳しい倫理規定の実践という事が、求められている事なのです。

このような背景から、コンプライアンスを法令遵守とだけ捉えていると、非常に視野が狭くなってしまい、求められている事に応える事が不可能となるでしょう。

コンプライアンスとは、社会からの信頼や期待に応えるような企業理念や倫理規定を設定し実践する事と、深く理解する事が重要です。

もちろん、このことは全ての従業員が理解していることで、初めて価値があります。

経営者一人だけが高い意識を持っていても、組織的な改善はできません。

皆で一丸となってコンプライアンス対策およびコンプライアンス対応を行っていくことが、組織の価値を向上させ、組織を守ることに繋がっていきます。

 

コンプライアンスを自分なりに解釈する

カテゴリ

Page top icon