企業内では著作権とコンプライアンス違反の関係性が大切になります。社内流用のケースから見るコンプライアンス違反、違反実例からコンプライアンスを理解しましょう

ソフトウエアの社内流用がコンプライアンス違反へ

コンプライアンス違反によって、企業が損害賠償請求を実際に受けたケースがあります。

一体どのようなケースでしょうか。

それは、「ソフトウエアの社内流用」です。

パソコンはソフトウエアを導入することによってさまざまな処理を行うことが可能となります。ソフトウエアにはさまざまなものがあり、金額も無料のフリーソフトと呼ばれるものもあれば、大変高額なライセンス料を支払うようなソフトも中には存在します。

そうなると、1本だけ購入して複製(コピー)し、社内で使い回すということが行われがちです。

しかし、こうした行為は、コンプライアンス違反となります。

実際に、ある企業で社員が勝手にソフトをコピーしていくつかのパソコンにインストールし、利用していたところ、ソフトウエアメーカーから損害賠償請求が行われたことがあるのです。

何故、個人ではなく企業が損害賠償請求を受けたのかというと、売買契約を企業が結んでいるからです。

つまり、違法行為を行ったのは個人ですが、その個人は企業に所属しており、そもそもソフトウエアは個人ではなく企業が購入した者であったため、企業が責任を負え、ということになったわけです。

意外と多い著作権侵害の実態

ソフトウエアの社内流用(無断複製)は、著作権侵害を意味します。

社内流用だけでなく、私物のソフトウエアを社内に持ち込んで利用するケースもコンプライアンス違反となるケースがあります。持ち込んだソフトウエアが、既に自宅のパソコンにインストールされているような場合には、無断複製と判断されても仕方ありません。

フリーソフトなどは例外として、一般的なソフトウエアはパソコン1台につき1本ということが多いですから、覚えておきましょう。

企業において複数のパソコンで活用したい場合には、複数台のパソコンにインストールすることができるライセンス契約などが準備されていますので、そのような正規の購入手続きを踏む必要があります。

著作権侵害は気付かずに、悪意はまったくないのにも関わらず、ごく自然に行われていることが多いので、特に注意が必要になります。

最近のソフトウエアは複製対策も進んでいますが、それを破るようなソフトも販売されており、イタチゴッコが続いています。コンプライアンス違反が起きないように、社内での監視体制も強化し、社員が不正を働かない仕組み作りも要求されるでしょう。

 

知っていそうで知らないコンプライアンス違反の実例

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