コンプライアンス研修で欠かせない自己変革ツールがチェックリスト。単純ですが結構使えるツール、ツールそのものよりも使い方に一味加えると有効活用できます。
侮れないチェックリストの効用とは
コンプライアンス研修で、よく取り入れられているのが、チェックリストです。
一体、どのように活用していくのでしょうか。
コンプライアンス研修における基礎的な内容を学んだ後に、チェックリストは登場します。チェックリストは、自分自身の行動の確認を行うものです。
チェックリストを用いて、自己の日頃の行動を振り返ることによって、コンプライアンスの意味を理解した行動をしているかどうかがわかります。
あくまで基礎的な内容を学んだ直後に行うものですので、「コンプライアンス違反を疑われる行為をたくさんしていた」「こんなことがコンプライアンス違反に問われるとは思っていなかった」というように、コンプライアンス違反に該当する行為を自らが率先して行っていたことが露呈することがあります。
むしろ、これは歓迎すべきことです。コンプライアンス違反に該当する行為をしていまっているという「フィードバック」をチェックリストで受け取ることで、今後どうすれば良いのか、自分自身で考えることができるチャンスを得るからです。
大切なのは、そこからどれだけコンプライアンスに対する意識を高め、行動レベルでの変化を自分自身で起こすことができるか、ということです。
自らに気づかせるためのツールとして
チェックリストは普段何気なく行っている行動が、コンプライアンスに違反しているかもしれないということを、客観性を持って本人に知らせる事に役立ちます。
テレビニュースになるような不祥事や不正も、最初は些細な出来事からスタートしていることがほとんどです。
日々の現場で生じている些細な出来事を、望来的に確認できるのが、チェックリストの利点であり、研修に取り入れられる理由です。
他人に指摘されても、人間の行動が変わるということはほとんどありません。
子供ならまだしも、大人であればむしろ反発を招いてしまうことすら想定できます。
自分自身が気付くことで、初めて行動に変化が起きるのです、チェックリストは、自らの行動を振り返りながら、自分自身で気付きを得るという意味で大きな価値があります。コンプライアンス研修時には自らの普段の行動を確認するためのチェックリスト(あるいは、それに相当する資料)が準備されていることが多いですが、依頼した講師がそのような資料を準備していないときは、作成を依頼すると良いでしょう。
講師によっては、会社の事業内容などを踏まえて、アレンジしたチェックリストを提供してくれることもありますので、交渉してみましょう。
最後に注意点ですが、チェックリストの開示は控えましょう。グループを組んで、互いのチェックリストを見せ合うというのもオススメできません。そのようなことをするという前提があれば、社員が正直にチェックをしなくなってしまうこともありますし、個人の行動や想いを強制的に開示させるようなことは、プライバシーの侵害であり、パワハラに該当する可能性もあります。
ただし、チェックリストを使ってみて、「どのような感想を持ったか」ということを情報共有・ディスカッションすることは大いに活用することができます。
自分だけではなく、他人もコンプライアンス違反に該当するような行為を行っていたことを知ることで、これからはみんなで注意して行こうという流れに持っていくことができれば大成功と言えるでしょう。
自分自身へのフィードバック内容を、他人に話すことはある意味で宣言の要素も含みますのでおすすめです。