コンプライアンス実習で活用できるマニュアルは現場でも使えますから、自社独自のものをいずれ準備する必要はあるでしょう。
コンプライアンス実習で使えるマニュアルとは?
難しいイメージがあるコンプライアンス実習ですが、中でも簡単に取り組むことができると言われているのが、Q&A方式のマニュアルです。
企業倫理や就業規定、行動や業務に関する指針といった多岐に渡る内容に関しては、一度のコンプライアンス研修や教育を受けた程度では、全てを覚える事は不可能でしょう。
また、就業規則は全てを覚える必要はなく、全体をしっかりと理解しておき、必要に応じて参照しながら、コンプライアンスに則った解釈ができればそれで問題はないはずです。
定期的に研修や教育を行い、コンプライアンスに関する最新の情報を社員に提供することが、企業には求められているのです。
Q&A方式のマニュアルがあれば、行動や業務において違反であるかどうか迷った時に、大変役立ちます。
また、Q&A方式のマニュアルがあれば、社員一人一人が自発的にコンプライアンス実習(演習)を行うことができます。
社員の主体性によって活用度合いは異なるものの、自発的にコンプライアンス実習を行うことができるツールを会社として準備しておけば、それだけ社内でも早く浸透する可能性が高まります。
Q&A方式のマニュアルは、コンプライアンス推進を加速化させる現場でのツールであると考えると良いでしょう。
独自作成しなければ無価値
Q&A方式のマニュアルは、活用範囲が広いこともあって、たいへん有用なものです。
しかし、それぞれの企業によって企業倫理や就業規定が異なることから、企業独自の内容で作成しなければ意味がありません。
作成には時間やコストが必要となりますが、投資をしてまで作成する価値や意味はあるかという疑問を抱いたならば安心してください。結論からいえば「十分な価値を得ることができる」といえます。
むしろ、時間やコストを掛けたものほど、自社の状況に適合したツールになっているわけですから、高い効果を期待することができます。
注意が必要なのは、むしろコンプライアンス担当者の思惑でしょう。Q&A方式のマニュアルなどツール類は、それを作成することが目的になってしまったり、作成した現物を社長に報告することで満足してしまう傾向があります。特に、コンプライアンス担当者にとっては目に見えにくい成果が中心となる業務が多いので、誰が見ても成果と分かる紙媒体などのツールは、嬉しいのも分かります。
ですが、目的はツール作成ではなく、コンプライアンス経営を進めることにあります。コンプライアンスを推進するためにツールが必要になるわけですから、完成したことで満足せず、社員がボロボロになるまで読み込むような運用策を考えていくことも求められます。