日本と米国など諸外国では、求められているコンプライアンスは異なります

コンプライアンスは単に法令に従うのみならず

コンプライアンスとは、英語のComplianceに由来する言葉です。

求められているコンプライアンスの画像英語のComplianceを直訳すると、従う事・従順・遵守・準拠といった意味があります。

つまり、コンプライアンスとは、元々は何かを遵守するという事になります。

しかし、これだけでは実質的な意味を持っていないので、「法令」を遵守する事という風に訳される事がほとんどです。

遵守する対象が法令となっているからといって、言葉の意味通りに受け取って、「法律を守れば何をやっても構わない」、「法律を守る事が全て」ということで良いのでしょうか。

もちろん、そのような考え方が適切であるとは言えません。例えば、ビジネス上で法律に違反しないからといって、お客様に不利益になるような行為を行っていれば、それは直ちにインターネット上で話題になり、マイナスの口コミとして広がったうえで、お客様が離れていく、実質的な不買運動に繋がってしまうでしょう。

また、法理に違反しないようにするためにはどうすれば良いのか?という、いわば悪知恵のような思考を強く持ってしまい、法律の隙間を探せば問題ないという解釈も行える、ようになってしまいます。

法令だけでは狭すぎる

現在のような成熟した社会において、法令の遵守は、企業・団体・組織にとっては当然の事柄と言えるでしょう。

ここで求められているコンプライアンスとは、法令の遵守だけでなく、「社会やお客様の信頼に応える」ということを指していると理解すると素晴らしい捉え方だといえます。

法律を超えた、高い企業理念や厳しい倫理規定の実践が求められていると考えるべきでしょう。

これがあるからこそ、コンプライアンスというのは重要である、という議論になるわけですが、一方で抽象度が高く掴みづらいというのも事実ですので、対応が難しいということにもなっているわけです。

法令は一律的に決定されているものであり、法令を単に守るということだけが求められているということであれば、それほど厄介な問題は生じません。なぜならば、例外は基本的に存在しないからです。

しかし、法令以外にも広い範囲で要求されているのが「コンプライアンス」の意味でありう事実ですから、極端なことをいえば、コンプライアンスとは企業の社風や価値観・風土などによって異なるということもいえるわけです。それぞれの会社や団体・組織ごとに「概念上は同じでありつつも、内容や運用方法が異なる無数の方法論」が存在するのが、コンプライアンス対応の特徴ということになります。

会社を例に取ると、業種も規模も場所も社員構成も何から何まで異なるわけで、一つとして同じ会社は存在しません。故に、会社や組織の数だけコンプライアンス対応の種類が存在するということです。

一律的・固定的ではないというところに、コンプライアンス対策・対応の難しさが内在しているといえます。

しかし、複雑化した現代社会では、そのようなコンプライアンス対応が求められているということもまた事実であり、適切に対応することができれば、むしろ企業価値を高めることができ、ライバル会社に差をつけることも可能となります。

 

コンプライアンスを自分なりに解釈する

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