学び方にはコツがありますが、それは学ぶ側と教育する側の両方の意図を鑑みて融合することです

社員の側からコンプライアンス教育を考える

コンプライアンス教育は、導入する際と定期的に行う際で内容や意味が異なります。

コンプライアンス教育は段階を追って学ぶ実際に教育を受ける社員は、どのような内容をそれぞれの時期に学べば良いのでしょうか。

まずは、導入時です。

コンプライアンス教育が社内に導入される時には、行動規範や社内規定の意味をしっかりと理解することが求められます。

また、そもそも論でなぜコンプライアンス教育が自社において実施されることになったのか、その意図についても十分に理解をしてほしいところです。プログラムの全体像も含め、導入時はいきない細部の教育を進めていくのではなく、大枠や概念的なものを周知し、社員からの納得性を獲得することにも力を入れる必要があります。

知識は学ぼうという意識がないと修得できません、逆に、意欲があれば主体性を持って自発的に学ぶという行動も見られるでしょう。

続いて、定期実施時です。

この頃には、コンプライアンスに関する基本的な知識はほとんど理解をしていることでしょう。ただし、理解をしているからといってそれを「記憶」しているとは限りませんし、「記憶」していなければ普段の業務で「活用」することもできない可能性が高いです。

そこで、定期的な教育の場では、知識を記憶させ、実践的に活用できるようにすることを主眼においた学びの場を提供するのが好ましいと言えます。例えば、グループを組んで行う検討会(グループディスカッション)などがあります。この方法は、インプットした知識を、グループ内でアウトプットすることができ、かつ、周りのメンバーからのコメントによってフィードバックを得ることができるという、非常に優れた教育方法であるといえます。

自分の行動をチェックし、自分自身のPDCAを回すことも重要です。他人からの評価でなくても、自分自身がチェックリストなどを用いて振り返りを行うことは、次に生かすアクションプランを考えるという意味で極めて重要性の高い行為になります。

推進委員(推進担当者)の役割

コンプライアンスの推進委員となった社員は、他の社員よりも積極的に知識を身につける必要があります。場合によっては、一般社員よりも専門的で、高度な知識を身に付ける必要性も出てくるでしょう。

推進委員として、他の社員にアドバイスを行うことができるように、率先して知識を身につけて欲しいと思います。

社員からの質問は、理論的な理由理屈よりも、現場で生じ得る問題に関することが多いです。

「〇〇はコンプライアンス違反でしょうか?」「現在、□□なのですがこれはコンプライアンス違反に該当しますか」といったように、社員は自らの行いや先輩・同僚などの他人の行為に興味を持ってコンプライアンスを組み合わせて考える傾向にあるようです。

推進委員は、コンプライアンス違反事例や裁判の判例など、事例を研究すると良いでしょう。自分でも楽しめますよ。

自発的に学んでいくことこそ、コンプライアンス教育の理想です。

推進委員には、それなりに影響力がある(リーダーシップがある)人物を専任するのが理想的であり、実際にそのような人材こそ会社を背負っていく立場になる人達でしょう。

影響力のある人物の行動は、一般社員がフォロワーとして追随しやすため、企業の中に浸透するのが早いという特徴があります。

推進委員は、押し付けによる任命や選任ではなく、自主的なスタイルでの選任が好ましいでしょう。

 

コンプライアンス教育について

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