コンプライアンスは違反事例を見ると理解が深まります。残業によるコンプライアンス違反の実例、違反実例からコンプライアンスを理解しましょう
残業のコンプライアンス違反実例
コンプライアンスの意味を理解するために役立つのが、事例です。
今回は、「上司の了承を得ずに残業を勝手に行った」という実例をご紹介します。
会社にとって緊急性の高い業務があった場合には、業務をより円滑に進めるためにも、残業を行うことは当然であると考える社員も多いようです。
このような主体性のある行動は、やる気がある・モチベーションが高い・仕事熱心である、と言うような捉え方をされることも多く、本人からすれば俄然残業魂に火が付くということもあるのかもしれません。
しかし、これはコンプライアンス違反に該当する立派な実例の一つです。
本来、残業は上司の命令(職務命令)によって行うものと定められています。
また、各企業ごと就業規則の中で残業に関して定めがあるはずですが、「社員の自主性により自らの判断で残業行うことを認める」といった内容はないはずです。
就業規則との関係を読み解く
上司の了承を得ずに残業を行った場合には、就業規則を守っていないこととなり、コンプライアンス違反となってしまうのです。
勝手に残業を行った本人は当然ですが、それを監督できなかった上司もコンプライアンス違反を問われることになります。
休日出勤に関しても、上司の了承を得ずに行った場合、同じ意味のコンプライアンス違反となってしまうので注意が必要です。
少し発展させて、「残業代を発生させないサービス残業を勝手におこなったのであるから問題ない」とこの社員が主張したとします。別に会社に迷惑をかけていないし、むしろ会社に貢献する行為であるから、責められるのはおかしい!と社員が叫んでいます。
この場合は、コンプライアンス違反に問われるのでしょうか。
答えは、コンプライアンス違反に該当する可能性が高いといえます。
今回の事例では、残業代の発生有無が問題になっているわけではなく、勝手に残業をしたという事実が問題であることに注意を向ける必要があります。
ほんの少しのことがコンプライアンス違反になるということがあるのです。いくつかのケーススタディーを学ぶことで、実例からコンプライアンス違反の理解を深めることには価値があります。
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