内製化にこだわらずにコンプライアンス教育の外注化も手っ取り早い。時間を節約するなら、外注化という方法もあります。

自社の現状を踏まえた内容のコンプライアンス教育

コンプライアンス教育を実施するためには、時間やコストが必要となります。

時間やコストが掛かることは承知のうえで、どの企業もコンプライアンス教育に力を入れているのは、大きなリターンを見込むことができるからです。

コンプライアンス教育と言うと、「不祥事を起こさない」という目的で行われることが多いのだろうと考えてしまいます。もちろん、そのような目的もあるわけですが、コンプライアンスに対する意識を醸成することができると、通常の業務においても、顧客対応力が高まったり、生産性の向上を実現できると言われています。

日本におけるコンプライアンスには、法令遵守のみならず、社会への貢献という広範な概念も含まれていますので、優れたコンプライアンス教育を行うことは、不正の防止と言うネガティブな取り組みを超え、企業価値の向上というポジティブな成果を導き出すことができるようになるのです。

コンプライアンス教育を行う企業が増えているのは事実ですが、教育をどのように行うのかという部分は、企業によって異なります。

具体的には、教育に組み込む内容が企業によって異なります。

たとえば、インターネット上におけるSNSなどの活用は、業務とプライベートの線引きがあいまいになっていることからトラブルが頻発していますので、重点的に教えたいと考える企業も多いはずです。バイトテロに代表されるように、たった数十秒の動画で倒産に追い込まれる企業もあるほどですから、実施時期に話題となっているトピック的なことは重視するのは当然です。

また、企業の社風や風土なども考慮しなければなりません。女性が多い職場だったり、全国に支店があったり・・・ビジネスにはさまざまな特色がありますので、企業の独自性に加え、業界の特徴までも含めた内容をコンプライアンス教育では盛り込んでいく必要があります。

このように、自社の現状に沿った教育を行う場合には、自社の人材をトレーナーや講師としてコンプライアンス教育を行うのがベストな選択肢のように思えますが、社内の人材ではむしろ存在が近すぎるという部分もあり、また、客観性を失う内容になってしまう可能性もあります。

コンプライアンスについては、誤った指導を行ってしまうとすぐさまトラブルに発展することもありますので、しっかりと専門的な知識を有する外部の専門家への依頼をするのが最善策です。

最初は外注を行い、その指導方法や内容などをコンプライアンス担当者がしっかりと押さえ、将来的には自社の担当者が教育できるようになるのが、順を追ったプロセスとしても妥当でしょう。

役員クラスに自社の担当者が教育的指導を行うのは難しくても、新入社員やアルバイト・パートタイマーに対してであれば、むしろ先輩としての立場で内部人材が教育を施すのは理想的であるといえます。

外注から内製化へと進んでいけるように、中長期的にコンプライアンスの教育設計をしておくのが良いでしょう。

社員の満足度を高め、行動変容を促す

コンプライアンス教育の外注先(研修講師の依頼先)としては、研修会社やコンサルティング会社、弁護士事務所、社会保険労務士などがあります。

外注の際の注意点としては、当該企業に適した講師を派遣して貰う事が挙げられます。

企業規模や風土、事業内容などを考慮せずに一律的なコンプライアンス研修を実施するようなことはせず、講師が打ち合わせに同席し、自社の現状を説明したうえで、それらを考慮した教育をおこなってもらうよう提案をしてもらうと良いでしょう。評判や紹介で外注先を選ぶのは構いませんが、実際に講師から提案をしてもらって、どのような教育を予定しているのかをすり合わせて、外注先を決定することをおすすめします。

他社で評価の高い講師が、自社にも向いているとは言い切れません。

例えば、女性の多い職場であれば、男性講師よりも女性講師の方が共感を得やすいということもあるでしょうし、外資系企業であれば英語のできる講師を人選する必要も出てきます。

外注先選びの基準があるとしたら、「社員が受けて良かった、これからに役立つと思えるような意味のある講義を行ってもらえるかどうか」がポイントです。

社員一人一人の意識を向上させることができれば最高の教育ができていると言えるのではないでしょうか。

 

コンプライアンス教育の方法について

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